従来、コンクリートは半永久的でメンテナンスフリーであると思われていたものでしたが、近年JR東海道新幹線のコンクリートクライシスがテレビ報道され、JR山陽新幹線のトンネルにおけるコンクリート剥落事故、JR北海道においては跨線橋のコンクリート剥落、破片落下による自動車の破損などが発生しました。さらには、阪神高速道路におけるアルカリ骨材反応による橋脚の鉄筋破断等人命にこそ影響なかったものの大きな社会問題になっているものです。
これらの事故はコンクリート構造物にメンテナンスが必要であるというメッセージを発信しているものです。加えて、これらのコンクリート構造物のほとんどが高度成長期に築造されたものであり、保守・点検を強化し、維持管理に努める時期を向かえています。
先人の言葉に「よく予防するものに医者は要らない。」と言う言葉があります。常に手当て(予防)しておけば大病にならないし、費用も少なくて済むと言う、例えと思われます。
近年、こうした考え方から「公共施設のアセットマネジメント」と言う管理手法を導入する国及び地方自治体が大変多くなって来ています。
当社もこれからご説明する「*Sto乾式吹付工法」を中心とした断面修復工法と浸透性吸水防止材を使用した表面保護システムによりアセットマネジメントに寄与して行く所存です。
- コンクリート橋の劣化写真
(鉄筋爆裂・コンクリートの剥離・剥落)
小泉組 メンテナンス事業部 まで
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- 国土交通省中部整備局
NETIS 新技術情報提供システム
『コンクリート構造物等の断面修復乾式吹付け工法』
登録番号 CB-020040 - JR西日本認定断面修復材
- 国土交通省中部整備局
乾式吹付け工法はコンクリート補修の先進国ドイツから材料及び技術を導入し
最近のコンクリート構造物における自然環境及び人為的な要因による劣化問題に対する補修や道路橋床版の老朽化対策、車両の大型化による活荷重対策、耐震対策を目的としております。
特に最近では一度補修したものが数年で劣化してしまう再劣化が問題になってきています。再劣化の主な原因としては、こて塗りによる付着強度の不足や、材料自体が塩分の浸透に弱くコンクリート内の残塩や新たな塩分の浸透によりコンクリートがダメージを受けてしまうということが挙げられます。
当社ではこれらの問題を解決する為、下記の特徴をもった材料・工法でコンクリート構造物の補修・補強を行ってまいります。
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- プレミクスポリマーセメントを使用し現場での材料調合をなくし常に均一で安定した材料の品質を確保できます。
- フレッシュモルタルの性状は優れた粘性があり振動下の吹付け施工ができます。
(天井面・壁面とも1層50mm) - 初期付着力が高く旧コンクリートに強固に付着します。
{平均付着強度(4週)約2.5~3.0N/mm2} - 高速・高圧充填による高密度の形成します。{平均圧縮強度。(4週)約65.0~70.0N/mm2}
- 弾性係数を低くすることにより発生する応力の低減をはかることができます。
(約30,000N/mm2以下) - 低い水セメント比による施工(約40%)により乾燥収縮を低減します。
- 遮塩性に優れる。通常のコンクリートと比較した場合、水セメント比40%で比較すると塩分の浸透に対して3倍の耐久性がある。
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- 搬送距離(MAX)・・・水平200m 垂直150m(プラント移動回数を大幅に低減)
- 乾燥材料を高圧空気で搬送するため、管内閉塞による作業中断が生じません。
- 作業中断による管内清掃が不要のため作業再開が速やかにできます。
- プリウェッテェングシステム(粉体の抽出部分に時間当たり20~25Lの水を添加)により圧送機周囲の大幅な粉塵の低減により作業性を大幅に改善します。
- サイロシステムによる安定した材料の供給。
- サイロシステムによりプラントの省スペース化・運搬車輌の低減。
- サイロ搬入による梱包塵の削減(片付け手間の削減)。
- 乾燥材料を使用するため、現場での道具の清掃は必要最小限で良く、残モルタルや洗浄水の処理が不要。
- 振動下での吹付け施工が可能であり、床版下面増厚の施工の際は通過交通を開放したままで施行ができます。
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- 少人数施行(2人~4人)により手間を大幅に削減。
- プラントの省スペース化・運搬車輌の低減により仮設費・運搬費の大幅削減。
- 長距離・高所搬送が可能になりプラント切り替えの経費を削減。
- 低リバウンドによるロス率の低減・・・・・・平均10~20%(熟練者は8%以下)
- サイロシステムを採用することにより梱包塵、残モルタル、洗浄水処理の手間・費用が大幅に低減。
補修前 断面修復工 t=100 |
補修後 断面修復工 t=100 |
補修前 断面修復工 t=100 |
補修完了 断面修復工 t=100 |
(愛媛県伊方町)
補修前 鉄筋爆裂・コンクリート剥落 |
補修完了 断面修復工 t=100 |
補修前 鉄筋爆裂・コンクリート剥落 |
補修完了 断面修復工(t=70mm~150mm) |
補修前 鉄筋爆裂・コンクリート剥落 |
補修完了 断面修復工(t=70mm~120mm) |
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NETIS登録番号:CG-070011
乾式吹付け工法と炭素繊維グリッドを併用した耐震補強工法です。
このような構造物は、非常に強い地震動を受けると倒壊等を含めて相当な被害を受けることが予想され、私たちの生命・財産・生活が脅かされることも予想されます。そこで、このような構造物を早急に耐震補強することが社会的課題であり、現在もその作業が進められております。
- NETIS登録が決定しました。(2008.01.11)
- 新技術名称:DSPCG工法
NETIS登録番号:CG-070011
乾式吹付けを用いた耐震補強工法です。
- 施工性に優れ、迅速施工が可能
- ①炭素繊維グリッドは軽量(1~2Kg/㎡)で施工が容易
②乾式吹付け工法は、機材が小規模で小回りが利き、施工性が良好
③乾式吹付け工法は、締め固め効果が大きく、母材との付着性が良好
- 補強に伴う断面の増加が少ない
- ①強度の高い炭素繊維グリッドを使用
②乾式吹付けモルタルの圧縮強度は材齢28日において
約60~70N/m㎡と非常に高く、補強用材料として極めて有用である為
吹付け厚さは3~4cm程度で十分
- 耐久性が良好
- ①炭素繊維グリッドは鋼材と異なり錆びず、耐久性に優れる
②乾式吹付けモルタルは、中性化及び塩害等に対し耐久性が高い
- コスト低減が可能
- ①工期の大幅な短縮、コスト低減が可能
②補強後の維持管理費も削減でき、ライフサイクルコストの面でも極めて有効
- 耐震補強-公開実験(2006年10月 福山大学 構造・材料開発センター)
(既存鉄筋コンクリート構造物の耐震補強方法に関する実大実験)
負荷状況 | ||
古い基準で設計された試験体:無補強 | 補強試験体 |